夏も近づく八十八夜!新茶に関する豆知識
こんにちは、irodori編集部員のツッチーニです(*‘ω‘ *)
日照時間も長くなりポカポカと暖かくなってきた今日このごろ。
この時期になると新茶が出回り、我々は初物の美味しいお茶を堪能することができる。
「夏も近づく八十八夜〜♪」という歌詞で始まる茶摘みの歌などを思い出す方も多いことだろう。
八十八夜とは立春から数えて88日目のことを言い、2021年は5月1日が八十八夜にあたる。
そこで今回は、新茶に関するおすすめ豆知識を紹介していきたいと思う。
お茶を片手に最後までお読みいたけだけるとありがたい(・∀・)
どうして八十八夜なの?
八十八夜は、立春から数えて88日目であることは先程述べた通りだが、では一体なぜ88日目だけ特別扱いされているのだろうか。
(他の日は決して八十七夜とか八十六夜などといった呼び方をされないのである!)
この時期は、かつて農業に従事する人々が多かった昔の日本社会において、種まきや田植えの準備、茶摘みなど春の農作業を行うのにちょうど良い気候にあたっていた。二十四節気でいう「立夏」も近いこともあり、この八十八夜を「夏の準備を始める目安」ととらえていたのである。
なるほど、なるほど…いや。
ここで鋭い方はお気づきだろうが、今までの説明だけではちょうど88日目でなくとも特段問題なさそうだ。
そう、88日目だけが特別扱いされる理由が何かあるはずなのだ…!
ということで、ここからその理由をちゃんとご紹介しよう。
理由は2つある。
ひとつは、「八」という文字が末広がりの姿をしていることから縁起が良いととらえられており、それが2つ重なっている八十八はそれだけでもう大変縁起が良いじゃないか!というわけである。(単純だね!)
そしてもうひとつは、「八十八」という文字を組み合わせると「米」という漢字になることから、農業に従事する人々によって大切な日とされ、豊作を祈った祭りなども行われて特別扱いされたということなのである。
なるほど、なるほど。そういうことなら納得だ。
…それにしても最初に「八十八⇒米」に気づいた人は、
「おーっ、八十八を組み合わせたら米になったぞー!!大発見だー!」
などと言って、さぞかし喜んだことでしょうなぁ。(*´ω`*)
八十八夜は茶摘みに最適な時期だった!
いよいよここから新茶についての話である(前段が長くなってしまった)。
前段の八十八夜が茶摘みの時期として有名なわけだが、実は茶摘みの時期(以下、茶摘みチャンスと呼ぶ)は3回ほどある。
お茶の木は生命力が強く、葉を摘んでもすぐに芽が出てくるからである。
1回目の茶摘みチャンスが4月中旬から5月末頃で、これがいわゆる新茶(または一番茶)と呼ばれるシーズンというわけである(産地や気候によって時期は多少ずれる)。
そう、八十八夜は大事な大事な茶摘みチャンスの時期に重なっているというわけだ。
2回目の茶摘みチャンスは新茶の摘採からおよそ45〜50日後で、二番茶という。
3回目の茶摘みチャンスは二番茶からさらに35〜40日後で、三番茶という。
新茶の特徴には若葉の爽やかですがすがしい香りと新鮮な味わいがあり、旨味成分が多く含まれているのだそうだ。
二番茶、三番茶になるにつれ、茶葉は大きく硬くなり、渋みが増すのだという。
新茶の美味しさは格別なんて話もよく耳にするが、
やはり八十八夜前後に摘んだお茶は中でも一番旬の時期であり特別扱いされるというのは本当のようだ。
新茶は不老長寿の縁起物
新茶が格別なものだというのは徐々にわかってきたが、さらにいうと不老不死の縁起物でもあるのだという。
これはどういうことだろうか。
新茶を縁起物として扱う理由を紐解くカギはその成分にあるようだ。
お茶の新芽にはテアニンというアミノ酸が含まれており、この成分の量がお茶のうま味を決定づけている。
また、テアニンには脳をリラックスさせたり、集中力を高めたりする効能もあるのだそう。
八十八夜前後に摘んだ新茶にはテアニンが一番豊富といわれており、すなわち一番美味しく健康面でも優れているのである。
昔の人々は成分を調べる知識はなかったが経験的に新茶が優れていることを知っており、八十八夜のお茶に「新茶を摂取して健康を維持したい」という願いを込めて、不老不死の縁起物という言い伝えを残したらしい。
医学が発達していなかった時代においては、お茶を薬代わりに飲んだりしていたのだろう。
たしかに美味しいお茶を飲むと落ち着くし身体に良いような気がする。
昔の人もそんな体感があったのだと思うと、お茶を通して繋がれたような気がしてなんとも感慨深い。
不老不死は言い過ぎ感が否めないが、お茶の中でも特に効能のある新茶にすがりたくなる気持ちは十分に理解できる気がする。
さいごに
ここまで新茶に関して紹介してきたがいかがだっただろうか。
私は書いている間に無性に新茶が飲みたくなってきてしまった。
できれば和菓子も買ってきて一緒に堪能したい気分だ。
調べているうちに、お茶に関して語りたいことがどんどん増えてきてしまった。
なかなか奥が深い世界である。
また何かの機会に紹介できれば良いが、ひとまず今回は以上とさせていただきたい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。